前回の山本牧場の続きです。
前回の記事はこちら
山本牧場で購入したものを発送していただきました。
私の場合、仕事で数週間〜1ヶ月近く滞在しますので、鮮度のかかわる食品などを買うときは、帰る時期によって商品を送るかどうか考えてしまうこともあるのですが、山本牧場さんは、わたしが帰る日を考慮して、ちゃんと受け取れるように発送してくださいました!
じゃ〜ん!!この牧場に行ったら、やっぱ牛乳買わなきゃでしょ〜!
ということで、じつはふだんは牛乳を飲まない買わない私ですが、ここで牛乳買わなくてどこで買うの?と、ここぞとばかりに購入させていただきました!!
完全放牧でオーガニック、そしてグラスフェッド。それだけじゃなく、世界有数の美しさを誇る摩周湖の水を飲ませているとのこと。
こんなにすごい牛乳なのに、なんと昨年まで有機認証を取得されていなかったそうです。
農作業に片足をつっこみ自然農を始めた私。福岡正信さんの著作を読んでいましたので、「有機」に思うところありありだった時期もあります。ですから、山本さんが「これまで有機認証に魅力を感じなかったから」(山本牧場のブログより)という理由で認証を取得しなかったお気持ちも、なんだか分かるような気がいたします。
まあ、ともかく。いまや有機認証を取得されているということで、オーガニック専門店などもこちらの牛乳を取り扱いしやすくなり、私たち山本牧場ファンが、こちらの牛乳を手に取りやすくなるのであれば、とてもありがたいことです。
ラベルには、北海道中標津町養老牛「シマフクロウの棲む森のミルク」
と書いてあり、雄大で力強い北海道の大自然を感じます。
365日、牛舎の外で牛を放牧し、「寒さにも負けない丈夫な牛」を育てているそうです。
これを読んだとき、牛舎があって、ふだん(昼間とか)は屋外に出してあげてるのかしら(そして夜や冬の寒いときは牛舎に帰る)、と思い込んでいました。
ところが、ぜんぜん違いました。
極寒の北海道の冬、その中でも知床連山の麓にある養老牛は厳しい気候風土を持ちます。
https://wildmilk.jp/kodawari/
マイナス30度近くの猛吹雪の中、牛たちはえさ場の隅でひと塊りになって夜をやり過ごします。
また夏場の台風では広大な放牧地で強烈な風雨をもろに受けながらも牛たちは黙々と草を食んでいます。生産現場の多くの牛たちは一生外に出ることもなく牛舎の中で育てられますが、山本牧場の牛たちは搾乳時間以外はすべて外で生活しています。
え・・・。つまり、昼も夜も、台風でも猛吹雪でも、牛たちは屋外にいるということ(ざっくりまとめてスミマセン)。なるほど。だから「完全放牧」なのか!
マイナス30度。
体感したことありますか?
札幌の友人と話すたび、その雪の多さと寒さの描写に、関東の民である私も凍えそうになります。北海道は室内が暖かいといわれますが、ぜんぜん暖まらないコンクリート打ちっぱなしのような部屋で、暖房もつけずに過ごしているのがその友人です。その真冬の体感温度は、「冷凍庫よりも寒い」と言います。
山本牧場のある場所は、中標津の養老牛という地名なのですが、知床連山の麓に位置しています。冬の厳しさは、想像を絶するものがあるでしょう。
北海道の冬に、マイナス30度の夜を屋外で過ごすことができるでしょうか。ちょっと考えてみると、また凍えそうになります(関東はいま盛夏の気温に突入していますが)。
「寒さにも負けない」どころじゃない、ほんとうに自然のまま育った、とてつもなく丈夫な牛さんたちなのです。
また、山本牧場は、牛を草で育てることにこだわり、
その草は、農薬と化学肥料を使わずに育てています。
夏は自然の青草、冬は越冬用に保存した草をたっぷり与えているとか。
通常の酪農は、配合飼料とよばれる輸入物の穀類を与えることで、大量の牛乳を出させているそうですが、山本牧場は、牛さんが自然の生理として出すお乳で十分という考えにもとづき、穀類はゼロ。
つまり、自然の生理をこえて、無理に牛乳を出させるようなことは一切しないのです。
だから、とにかく飲んでみるのがいちばんわかりますが、
不自然なクセのない、自然なあじわいの牛乳なのです。
一口飲むと、もっと飲みたくなる。
スーッと喉越し良く、それでいてコクも感じられる牛乳です。
大瓶は900mlで1300円です。小さいサイズもあります。
(後日また書きますが、この牛乳が年に1週間ほどしかない緑ラベルの時期になると、1600円になります)
北海道にはたくさんのおいしい牛乳がありますが、通常の牛乳は、配合飼料(穀類)がエサとして使われているということで、その穀類って、どんなものなの?と調べてみると、山本牧場のサイトに書いてありました。「通常の輸入穀類は農薬の厳密なチェックもない遺伝子組み換えをしたもので、防かび剤も輸送時かけられてしまいます」とのこと。
これを知ってしまうと、やはり通常の牛乳は躊躇してしまいます。食の安全や環境のことを考えると、オーガニックでグラスフェッドの牛乳、という選択をしていこうと思いました。
そして、これは私の個人的な経験から、まったく根拠もなく思うのですが、
もしお子さんが牛乳をあまり飲まないようでしたら、
もしかしたらお子さんは、とても敏感なだけかもしれません。
これはなんだか良くないと、一口飲んで直感的にわかる。私がそうでした。
ほかの牛乳は冷たいままだとほとんど飲めないけど、この牛乳は大瓶でもすぐに飲み切ることができました。
人生は一度きり。
牛乳にしては高いなと思われる方にも、もし食にこだわりがある方でしたら、
ぜひ一度、ご自身の五感で味わっていただきたいと
真剣に思う、唯一の牛乳です。
養老牛放牧牛乳(WILD MILK)山本牧場のHP
https://wildmilk.jp/
〒088-2684 北海道標津郡中標津町字養老牛200-2
Tel & Fax:0153-78-2140 携帯:090-8907-2140
2024年9月追記:
養老牛放牧牛乳は、東京は広尾の国際色豊かなスーパーマーケット、Nationalで取り扱いがあります。というものの、人気があるためか、実は店内の商品陳列棚に、なかなか見かけることができないでいました。最近見かけたので、写真を貼っておきます。